在住外国人に対する医療通訳とメディカルツーリズムに対する通訳の誕生の経緯や対象となる人々は異なりますが、医療という場での通訳を行うことには変わりなく、そこには共通の通訳倫理が必要です。
というのも、インフォームドコンセントからターミナルケアなどの通訳を行う場面では、通訳者自身が心理的ダメージを受けたりすることもあるからです。
また患者がコミュニケーション不足からスムーズにサービスを受けられない場面に遭遇することもあり、通訳者がどう対応すべきかの判断を求められます。
そんな時に判断の基準となる倫理規定を知っているかどうかで、通訳者の対応は全く異なるものとなります。
このことは患者だけでなく、医師や看護師などの医療従事者にとっても重要な問題です。
通訳者が責任のある通訳行為を行っているかどうかによって、病院全体のサービスに大きく影響を与えることになります。
倫理規定がきちんと適用できていれば、通訳士は責任のある行動をとり、さらに専門職の一員として認められるわけです。